E:尊重(Esteem)

モルツ博士は、成功する人格について「SUCCESS」という言葉を使って説明しています。彼は、成功する人格は次の7つの要素で構成されていると考えます。つまり、S:方向性の意識(Sense of direction)、U:理解(Understanding)、C:勇気(Courage)C:思いやり(Charity)、E:尊重(Esteem)、S:自信(Self-confidence)、S:自己受容(Self-acceptance)の7つです。

ここでは、E:尊重(Esteem)について解説します。

 

E:尊重(Esteem)

モルツ博士は、成功する人格に必要な要素として「尊重」というキーワードを取り上げています。特に、ここで指摘しているのは自分に対する尊重という観点です。これに関して次のように述べています。

「人生に潜むあらゆる落とし穴のなかで、最も有害で最も克服しがたいのは自己蔑視だ。なにしろそれは、自分で考えて掘った穴で、『無駄だ。できない』のひと言で済ましてしまうのだから」(『潜在意識が答えを知っている!』(p171)より)


自己卑下があなたから成功を奪う

このように、自己卑下という心の傾向性があなたからあらゆる成功を奪い、社会に対して不利益をもたらすことになるのです。なので、「自分を軽んじることは美徳ではなく、悪なのだ」ということをしっかり理解する必要があります。また、尊重(Esteem)という言葉には、価値を認めるという意味もあると言います。つまり、自分自身の価値を認めることが大切なのです。

「人はなぜ、星や月、海の広さ、花や夕日の美しさには感動するのに、一方で自分を卑下するのか。どれも同じ創造主がつくったものではないか。なかでも人間は最も驚くべき被造物ではなかったか」(同 p172より)このように、自分自身の価値を認めることは、決してうぬぼれではなく、神の子として当然の行為なのです。ありのままの自分自身を認めることが真なる自尊心に繋がるのです。


他の人を尊重することが自尊心に繋がる

そして、この考え方は他の人への尊重にも繋がることになります。自分と同様、被造物である他の人々もまた尊重すべき存在なのです。どうしても自己卑下してしまうというなら、その時は、他の人を積極的に認め、その価値を尊重するように心掛けましょう。仮に、彼らが自分とは異なる価値観を持っていたとしても、そうした人々もまた神の造られた存在であることに違いはないのです。

このように、他の人を尊重することは、やがて自分自身への信頼や自尊心へと繋がってくるようになりますので実践してみて下さい。