S:自信(Self-confidence)

モルツ博士は、成功する人格について「SUCCESS」という言葉を使って説明しています。彼は、成功する人格は次の7つの要素で構成されていると考えます。つまり、S:方向性の意識(Sense of direction)、U:理解(Understanding)、C:勇気(Courage)C:思いやり(Charity)、E:尊重(Esteem)、S:自信(Self-confidence)、S:自己受容(Self-acceptance)の7つです。

ここでは、S:自信(Self-confidence)について解説します。

 

S:自信(Self-confidence)

モルツ博士は、小さな成功が自信に繋がり、これがより大きな成功への踏み台となると言います。これが「成功が成功を生む」という言葉の意味です。例として、ボクサーの練習方法を取り上げています。

「ボクサーのマネジャーは、ボクサーが成功の経験を段階的に積み上げていけるように、対戦相手を慎重に選ぶ。私たちもこれと同じテクニックを使って、最初は小さな成功から経験を積んでいけばいい」(『潜在意識が答えを知っている!』(p174)より)


過去の成功は記憶し、失敗は忘れる

さらに、モルツ博士は盲点となりやすい次の観点にも触れています。ともすれば、人は過去の失敗を記憶し、成功を忘れがちです。しかし、成功するためにはこれとは逆の考え方を身につける必要があります。つまり、「過去の成功は記憶し、失敗は忘れるよう習慣づける」ということです。

例えば、数学の計算問題に取り組んだとしましょう。最初は、新しい計算方法に慣れずに間違うことが多いでしょう。しかし、練習問題を繰り返すことによって、やがて、正答率が上がってきます。これは、無意識に過去の成功体験を記憶し、失敗を忘れるように心掛けているからです。


自動成功メカニズムを活かす方法

この考え方は、サイコサイバネティクスの自動成功メカニズムそのものです。内蔵された成功メカニズムによって、「正確な計算をする」という目的地に到達できるように、試行錯誤を繰り返しながら、それに対する軌道修正が自動的に働いているのです。

ところが、人生においてはこれとは逆の考え方をし、成功を逃すことが多いのです。過去の失敗を心に刻み込み、自信を失い、自分を責めるようになってしまうのです。これでは、決して成功することはありません。

なので、失敗体験は成功するための反省材料として利用するにとどめ、積極的に成功体験を記憶するように心がけることが大切なのです。こうした心掛けが自信に繋がり、やがて大きな成功へと繋がるのです。