S:自己受容(Self-acceptance)

モルツ博士は、成功する人格について「SUCCESS」という言葉を使って説明しています。彼は、成功する人格は次の7つの要素で構成されていると考えます。つまり、S:方向性の意識(Sense of direction)、U:理解(Understanding)、C:勇気(Courage)C:思いやり(Charity)、E:尊重(Esteem)、S:自信(Self-confidence)、S:自己受容(Self-acceptance)の7つです。

ここでは、S:自己受容(Self-acceptance)について解説します。

 

S:自己受容(Self-acceptance)

自己イメージについてモルツ博士は、次のように述べています。「適切でリアルな自己イメージは驚くべき結果を生み出すが、それは自分を変容させることによってではなく、自分を認識し、自分を発露することによってもたらされる」(『潜在意識が答えを知っている!』(p176)より)


ありのままの自分を受け入れる

人はともすれば弱い自己を否定して、理想とする他人に成り代わろうとしがちです。しかし、人は自分の人格を変えることはできても、基本的な自己は変えられません。そのことを認めた上で、真の自己に対するメンタル・イメージを手に入れることができれば、自分に備わっているものを最大限に活用することができるようになります。

その際に大切なことは、ありのままの自分を受け入れることです。自分の長所だけでなく短所をも含めた現在の自分をあるがままに受け入れることが出発点となります。自分が犯した過ちや失敗、弱さを認めることによって、初めて強くなるための第一歩が踏み出せるのです。


永遠の理想を目指して前進する存在

というのも、自分自身に軌道修正をかけるためには、間違った部分を認識する必要があるのです。自らの失敗や欠点を認めないことには、軌道修正プログラムが働かないのです。

ただし、その際に注意しなければならないことは、自分が犯した過ちや失敗、欠点を本来の自分と同一視しないことです。現実の自己というものは、永遠の理想を目指して前進している存在であり、不変の存在ではなく絶えず流動しているのです。なので現実の自分が不完全なのは当然のことであって、それを認めることが成功への出発点となるのです。