サイコサイバネティクス
サイコサイバネティクス(Psycho Cybernetics;サイコサイバネティックスとも呼ばれる)は、アメリカのマクスウェル・モルツ博士によって提唱された考え方で、目標達成や成功、人生の豊かさを手い入れるために極めて有効な、人間の心のあり方に関する理論のことです。
マクスウェル・モルツ博士
モルツ博士(Dr.Maxwell Maltz;マルツ博士とも呼ばれる)は1899年にニューヨークに生まれ、1975年に76歳で没しています。1921年にコロンビア大学で学士号を、1923年に同大学内科・外科カレッジで医学の博士号を取得し、ドイツで形成外科の臨床研修を経た後、再びニューヨークの病院で形成外科に携わっています。その後、数多くの患者とのカウンセリングを通して発見した知見を、サイコサイバネティクスという独自の成功法則として構築しました。
サイバネティクス
サイコサイバネティクスの名前の由来ともなったサイバネティクス(Cybernetics;サイバネティックスとも呼ばれる)は、アメリカのノーバート・ウィーナー(Norbert Wiener)博士によって提唱された自動制御に関する理論のことです。これは、通信工学と制御工学を融合させたもので、目標値と達成値を近づけていく「フィードバック制御理論」について研究する学問です。
ノーバート・ウィーナー博士
ノーバート・ウィーナー(Norbert Wiener)博士は、1894年にアメリカのミズーリ州コロンビアに生まれ、1964年にストックホルムで69歳で没しています。数理論理学に関する論文でハーバード大学で博士号を取得した後、大学の講師やメーカー勤務、百科事典の編集など、様々な経験をしています。第二次大戦中に行った射撃制御装置に関する研究を契機に、サイバネティクス理論の構築に力を注ぎ、数々の実績を残しています。
潜在意識(無意識)
潜在意識(Subconscious)とは、普段意識している表面意識に対して、自覚されることなく意識の奥底に潜んでいる意識のことを意味します。これは、無意識と呼ばれることもあります。サイコサイバネティクスでは、この潜在意識をひとつの心として捉えるよりも、サーボ機能を備えた一種のメカニズム(仕組み)であると考えています。
自己イメージ
自己イメージ(Self-image)というのは、自分が心の中で描いている自分についてのイメージのことです。これには、プラスの自己イメージとマイナスの自己イメージがありますが、サイコサイバネティクスでは、特に、成功を妨げるマイナスの自己イメージを修正することで様々な豊かさを手にすることができるとしています。
サーボ機構
サーボ機構(Servomechanism)は、位置や姿勢、速度など、制御の対象となる状態を測定して、目標値と比較しながら自動修正を行う制御系のことです。これは、航空機の自動操縦や船舶の自動操舵、人工衛星や宇宙船の姿勢制御、ミサイルの自動照準など、幅広い分野で応用されている技術です。サイコサイバネティクスでは、潜在意識がこのサーボ機構の役割を果たしていると考えています。
自動成功メカニズム
自動成功メカニズムの前提には、「どんな人も神によって成功するようにつくられている」という考え方があります。つまり、人間というのは、自分が考えている以上に偉大な成功パワーを秘めた存在なんだということです。逆に言えば、成功できない人というのは、敢えて本来のあり方とは異なる方向に自らを導いた結果だとも言えます。
プラシーボ効果
プラシーボ効果(プラセボ効果、placebo effect)と呼ばれる現象があります。これは、薬理学的に完全に不活性な薬を、患者には効き目のある本物の薬と思わせて与えると、本物の薬と同様の効果が現れる現象のことを言います。プラシーボという言葉は、偽薬(にせ薬)を意味するラテン語から来ています。