潜在意識の働きについて
従来の心理学では、人間には表面意識と潜在意識という2種類の心が存在し、それらが互いに増幅しあったり拮抗したりするというイメージを持っていました。ところが、サイコサイバネティクス理論では、潜在意識に対する考え方が幾分異なります。
サイコサイバネティクスでは、潜在意識を、人格を持ったひとつの心というより、目標を達成するために自動的に舵をとる自動制御メカニズムの一種であるであると考えているのです。
ウィナー博士が提唱した自動制御学
サイコサイバネティクスは、数学者のノーバート・ウィナー博士が提唱した「サイバネティクス」という自動制御学の考え方がベースになっています。ウィナー博士が提唱した「サイバネティクス」は、通信工学と制御工学を融合させたもので、人間や動物を扱う生理学と機械工学やシステム工学を一体的に扱う学問のことです。
サイバネティクスという言葉は、もともとギリシャ語で「舵取り」を意味する言葉でした。そこで、モルツ博士は、潜在意識にはターゲットを探して向かう自動追尾式ミサイルのような働きがあるのではないかと考え、自ら構築した理論にサイコサイバネティクスという名前を付けたのです。
サーヴォ機構
そして、潜在意識にはサーヴォ機構と呼ばれるメカニズムが働いていると考えました。サーヴォ機構というのは、ターゲットを設定すると、それに向かって修正を加えながら自動的に進んでいく機能のことです。
しかし、サーヴォ機構は、そのターゲットが正しい目標なのか間違った目標なのかという判断は一切行いません。ただ、設定された目標に向かって進んで行くだけです。したがって、間違った目標設定をしてしまうと自動的に本来の目標とは異なる結果に導かれてしまうのです。
したがって、目標と密接に関係している自己イメージが極めて重要になってくるのです。正しい自己イメージを持てば確実に成功へと導かれますが、間違った自己イメージを持ってしまうと、いくら努力しても不幸な結末に導かれてしまうのです。