S:方向性の意識(Sense of direction)

モルツ博士は、成功する人格について「SUCCESS」という言葉を使って説明しています。彼は、成功する人格は次の7つの要素で構成されていると考えます。つまり、S:方向性の意識(Sense of direction)、U:理解(Understanding)、C:勇気(Courage)C:思いやり(Charity)、E:尊重(Esteem)、S:自信(Self-confidence)、S:自己受容(Self-acceptance)の7つです。

ここでは、S:方向性の意識(Sense of direction)について解説します。

 

S:方向性の意識(Sense of direction)

人は、ある目標を達成してしまうと途端に不安に襲われることがあります。明確な目標を持っている間は、その目標達成を生きがいに積極的に生きることができるのですが、いざ目標を達成してしまうと生きる目標を失い、守りの人生を生き始めることになるのです。このような状態にならないためには、絶えず新しい目標を見つけ出すことが必要になります。


自転車の喩え

これに関してモルツ博士は、自転車を喩えにして説明しています。

「人間というのは機能的に見ると、自転車に似ている。自転車はどこかへ向けて前進している間だけ、バランスを保つことができる。人間も、環境を克服し、問題を解決し、克服すべき障害や達成すべき目標があれば、バランスを保てるのだ。」(『潜在意識が答えを知っている!』(p163))


他の人々の役に立つ目標を考える

人間には自動成功メカニズムが存在しますが、そのメカニズムを発動させるには具体的な目標が必要です。こうした明確な目標があるからこそ、人間はバランスを失うことなく活き活きと生きることができるのです。そして、モルツ博士は、目標を考えるに際して、純粋に個人的な目標だけでなく、自分以外の他の人々の役に立つ目標を考えることを勧めています。それも、義務感から考えるのではなく、自発的にそうしたいと思うことが重要であると言います。